■フィボナッチ数の整除性の問題(その2)
【1】フィボナッチ数の整除性
フィボナッチ数は多くの性質をもっていて,以下にいくつか紹介しておきます.
Fn ・Fn+2 =Fn+1^2−(−1)^n (カッシーニの公式)
F1 +F2 +F3 +・・・+Fn =Fn+2 −1
F1 +F3 +F5 +・・・+F2n-1=F2n
F2 +F4 +F6 +・・・+F2n=F2n+1−1
F1^2+F2^2+F3^2+・・・+Fn^2=Fn ・Fn+1
有名な幾何学的パラドックス<64cm^2 =65cm^2 >は,「不思議の国のアリス」の作者であるルイス・キャロルが創ったとも,パズルの大御所であるサム・ロイドが創ったともいわれているパズルです.きっと,いろいろな本でみたことのある方も多いと思います.このトリックは一直線をなすように使われた2つの線分の傾き3/8,5/13の相違がわれわれの視力の限界外となる錯覚を利用したもので,もっと先の数,たとえば8/21とかを使えばより巧妙なトリックになります.Fn ・Fn+2 =Fn+1^2−(−1)^n は,3つ並んだフィボナッチ数の真ん中の数の平方は前後の2つの数の積より1大きいか小さいかのどちらかで,このトリックパズルのもとになっています.
また,
Fn+2= Fn+1+ Fn
Fn+3=2Fn+1+ Fn
Fn+4=3Fn+1+2Fn
Fn+5=5Fn+1+3Fn
・・・・・・・・・・・
Fn+k=FkFn+1+Fk-1Fn
ここで,k=n,2n,・・・とすると
F2n=FnFn+1+Fn-1Fn
F3n=F2nFn+1+F2n-1Fn
・・・・・・・・・・・・・・
よりFknはFnの倍数であることがわかります,
いいかえれば,3つ目ごとのFnが偶数,4つ目ごとのFnはF4=3で割り切れ,5つ目ごとのFnはF5=5で割り切れます.
1876年,リュカはさらにすごい式
gcd(Fm,Fn)=Fgcd(m,n)
が成り立つことを証明しました.
この他のフィボナッチ数の整除性については,各素数pで割り切れるFnがあること,また,奇素数pに対して
Fp=5^(p-1)/2 (modp)
が成り立つことなどがあげられます.
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