■正多角形の作図法則(その59)

 x^n−1の因数分解が,nの約数dを使って次のように書かれることを考えます.

  x−1=Φ1(x)

  x^2−1=Φ1(x)Φ2(x)

  x^3−1=Φ1(x)Φ3(x)

  x^4−1=Φ1(x)Φ2(x)Φ4(x)

  x^5−1=Φ1(x)Φ5(x)

  x^6−1=Φ1(x)Φ2(x)Φ3(x)Φ6(x)

  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  x^18−1=Φ1(x)Φ2(x)Φ3(x)Φ6(x)Φ9(x)Φ18(x)

  x^36−1=Φ1(x)Φ2(x)Φ3(x)Φ4(x)Φ6(x)Φ9(x)Φ12(x)Φ18(x)Φ36(x)

 すると,円分多項式は

  Φ1(x)=x−1

  Φ2(x)=x+1

  Φ3(x)=x^2+x+1

  Φ4(x)=x^2+1

  Φ5(x)=x^4+x^3+x^2+x+1

  Φ6(x)=x^2−x+1

  Φ7(x)=x^6+x^5+x^4+x^3+x^2+x+1x−1

  Φ8(x)=x^4+1

  Φ9(x)=x^6+x^3+1

  Φ12(x)=x^4−x^2+1

  Φ15(x)=x^8−x^7+x^5−x^4+x^3−x+1

  Φ16(x)=x^8+1

  Φ18(x)=x^6−x^3+1

  Φ24(x)=x^8−x^4+1

  Φ36(x)=x^12−x^6+1

と定まります.

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x^n−1を因数分解すると、その係数は0,1,-1しか現れないように思える。しかし、その規則性はn=105で突如崩れ-2が現れる。

円分多項式では、nが2つの異なる奇素数を用いて、n=2^a・p^b・q^cと表されるとき、その係数には0,1,-1しか現れないことが知られている。

n=105=3・5・7は相異なる3つの奇素数で表されるの最小の整数であるので、係数に-2が現れるのである。

すべての整数mに対して、x^n−1を因数分解するした際に、係数mが現れるnが存在することが証明されている。(鈴木の定理)

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