■ガウス曲率とリーマン曲率(その5)

微分幾何は,曲線や曲面,そしてそれらを高次元に一般化した多様体を微積分を使って調べる学問ですが,現代的な意味での微分幾何はガウスに始まります.微分幾何において世界の曲がり具合を表す量が曲率なのですが,それに対して,リーマン計量を使って曲がった世界の性質を調べる学問を「リーマン幾何学」と呼びます.

 

リーマンはゲッチンゲン大学におけるガウスの後任教授ですが,多様体の概念はリーマンに始まります.多様体では,空間が伸びたり縮んだり曲がったりしているわけですから,その際,空間の各点において長さを測るためのモノサシが必要になります.その際,どうやって長さを測るかを決めるモノサシが「リーマン計量」です.

 すなわち,ガウスの微分幾何が3次元空間内の曲面の幾何であるというならば,リーマンの幾何は曲面がユークリッド空間に入っていることを使わずに,第1基本形式から出発する幾何であるといえるのです.

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