■プトレマイオスの定理(その22)
このシリーズをまとめておきたい.
[定理1]単位円に内接する正n角形のひとつの頂点からでるすべての辺と対角線の長さの積はnに等しい.
が成り立つ.
また,
[定理]単位円に内接する正多角形の対角線の長さの平方和は頂点数の2乗に等しいは
[定理2]単位円に内接する正n角形のひとつの頂点からでるすべての辺と対角線の長さの平方和は2nに等しい.
と同値である.
正5角形の作図可能性と正7角形の作図不可能性7角形は以下のようにしてと概ね示すことができる.
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【1】正五角形の作図可能性の証明
辺の長さをx,対角線の長さをyとすると(x<y),
[定理1]→2x^2+2y^2=10,x^2+y^2=5
[定理2]→x^2y^2=5
x^2、y^2は2次方程式
X^2−5X+5=0
の2実根であるから,
x^2=(5−√5)/2,y^2=(5+√5)/2
すなわち,(複)2次方程式の範囲内で(x,y)が求まる.
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【2】正七角形の作図不可能性の証明
正7角形の場合,基本等式:xyz=√7,x^2+y^2+z^2=7
トレミーの定理から(独立ではないが)
x^2+xz=y^2 → x^2+√7/y=y^2
x^2+yz=z^2
y^2+xy=z^2
xy+xz=yz → これから有名な等式:1/x=1/y+1/zがでる.
最終的にx,y,zは3次方程式に還元されることが予測される.ともかく2次方程式では解けそうもないが「解けない」ことを厳密に示すにもう一工夫いる.
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