■正多角形の作図法則(その13)

正三角形、正方形、正六角形は定規とコンパスだけで作図可能である。

それでは、正五角形の精確な作図は可能だろうか?

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正五角形

cos(2π/5)=(√5-1)/2

2sin(π/5)=1/4・(10-2√5)^1/2

より、定規とコンパスだけを用いた正五角形の精確な作図は可能である

正五角形は古代ギリシャにおいて作図可能であることが発見された

√5を作るために、半径の2等分点が使われていることに注意(5=22+12)

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角の二等分

角の二等分は可能であることから、

正三角形→正六角形→正12角形

正方形→正八角形→正16角形

正五角形→正十角形→正20角形

も作図可能である

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フェルマー素数角形

正17角形はフェルマー素数角形であることから作図可能であるが、

正七角形、正11角形、正13角形、正19角形は作図不可能である。

正九角形、正18角形も作図不可能である。

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正17角形

1796年,ガウスは

cos(2π/17)=1/16・(A+B+C)=0.932472・・・

A=-1+√17

B=(34-2√17)^1/2

C=2{(17+3√17)-(34-2√17)^1/2-2(34+2√17)^1/2 }^1/2

となり,正17角形が定規とコンパスだけで作図可能であることを示しています.

辺数3,4,5,6,8,10,12,15,16の正多角形は作図できますが、辺数7,9,11,13,14の正多角形は作図できないことから、正17角形もそうであろうと推察されます。ところが、1796年、ガウスは19才のときに正17角形の作図を思いつき、のみならず、nが素数の正n角形について、n=22^m+1が素数の場合に限り定規とコンパスだけで作図可能であることを発見しています。

正7角形も正9角形も作図できないのに、まさか正17角形が作図できるとはと思うのが普通なのでしょうが、このことを用いると、m=0のとき正3角形、m=1のとき正5角形、m=2のとき正17角形となり、作図可能であることがわかります。当然、ずっと面倒になるでしょうが、正257角形(m=3)、正65537角形(m=4)も作図可能です。

単位円に内接する正十七角形の辺の長さは

2sin(π/17)=1/2√2・(A-B-C)^1/2=0.367499・・・

A=17-√17=A'

B=(34-2√17)^1/2

C=2{(17+3√17)-(34-2√17)^1/2-2(34+2√17)^1/2 }^1/2

の形で与えられる

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まとめ

正17角形では3重根号数や4重根号数が登場し、誰でも寒気を感じることでしょう。実際、気力が失われそうな作業が待ち受けていますが,正17角形は定規とコンパスで作図できるのです。

正十七角形はガウスによって作図可能であることが発見された(1796年,19歳)

作図可能な正奇数角形は、n=2^(2^m)+1が素数の場合に限る(3,5,17,257,65537角形)

√17を作るために、半径の4等分点が使われていることに注意(17=42+12)

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