■正多角形の作図法則(その9)

【2】n^2+1型素数

 ガウスは,π(x)をx以下の素数の個数とすると,

  π(x)〜x/logx   (x→∞)

が成り立つだろうと予想しました.この予想はリーマンの研究を経て,1896年,フランスの数学者アダマールとプーサンによって証明されました.これを素数定理といいます.

[1]双子素数の分布に関しては,ハーディとリトルウッドによって,

  πtwin(x)〜C∫(2,x)dt/(logt)^2〜Cx/(logx)^2

ただし,pを3以上の素数として

  C=2Π(1−1/(p−1)^2)=1.32032・・・

と予想されています.

[2]10を原始根とする素数,たとえば,

  7,17,19,23,29,47,59,61,97,・・・

の密度について,アルティンは

  π10(x)〜Cx/(logx)

と予想しています.

 ただし,pを素数として,Cは

  C=Π(1−1/p(p−1))=0.37395・・・(アルティンの定数)

[3]n^2+1型素数

  πq(x)〜C∫(2,x)dt/(logt・√t)〜C√x/(logx)

と予想できます.ハーディとリトルウッドはCの値も決定しています.

  C=Π(1−χ(p)/(p−1))

  n^2+1=0 (modp)→ χ(p)=1

  n^2+1≠0 (modp)→ χ(p)=−1

  C=Π(1−(−1)^(p-1)/2/(p−1))=1.3727・・・

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【3】ゴールドバッハ予想

 ゴールドバッハ予想(4より大きいすべての偶数nは2つの奇素数の和で表すことができる)に関連して,偶数nを2つの奇素数の和で表す表し方の数をN2(n)とするとき,

  N2(n)〜Cn/(logn)^2Π((p−1)/(p−2))

  C=2Π(1−1/(p−1)^2)=2=1.32032・・・

で与えられるだろうと予想されています.

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【4】平方数の和(ランダウ・ラマヌジャン定数)

 すべての整数は4つ以下の平方数の和として表現することができます(ラグランジュの定理,1770年).

 ゴールドバッハ予想の素数のところを平方数で置き換えた類似問題:2つの平方数の和として表現できるx以下の整数の個数をn(x)とすると,ランダウとラマヌジャンはそれぞれ独自に

  n(x)〜Cx/(logx)^1/2   (x→∞)

  C={1/2Π(1/1−p^-2)}^1/2=0.764223653・・・

  pは4n+3型素数をわたる

が成り立つことを証明しました.

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