■ヘロンの公式(その30)
[Q]円に内接する五角形や六角形についてもヘロンの公式はあるのだろうか?
[A]存在しないことの証明が
[参]のんびり数学研究会「ガロアに出会う」数学書房
に掲載されている.
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三角形の内接円の半径は
1/2・2(d+e+f)・r=S
であるから,
r=(def/(d+e+f))^1/2
次に,四角形が内接円をもつときを考えてみよう.四角形の内接円の半径は
r={(efg+fgh+ghe+heg)/(e+f+g+h)}^1/2
となる.
S=1/2・2(e+f+g+h)・r
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五角形が内接円をもつ場合は,
S=1/2・2(f+g+h+i+j)・r
は成り立つが,
r={(fgh+ghi+hij+ijf+jfg)/(f+g+h+i+j)}^1/2
は成り立たない.
[参]小寺裕「関孝和・算聖の数学思潮」現代数学社
によると
(f+g+h+i+j)r4−Ar^2+(fghij)=0
Aは(fgh+ghi+hij+ijf+jfg)ではなく,5個から3個をとったすべての組み合わせの10項となる.
三角形の場合は3個から2個とったすべての組み合わせは1項であり,
r=(def/(d+e+f))^1/2
四角形の場合は4個から3個をとったすべての組み合わせは4項であり,
r={(efg+fgh+ghe+heg)/(e+f+g+h)}^1/2
になる.
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