■ヘロンの公式(その11)

 「解けない」ことを厳密に示すにもう一工夫いる.

 たとえば,a=1,b=1,c=2,d=3,e=4の内接五角形の場合,当該の5次方程式は

  Q(x)=8x^5+81x^4+200x^3−114x^2−864x−723=0

に帰着する.しかし,既約であることの証明にアイゼンシュタイン規準を用いようとしても定数項大きすぎてうまくいかない.

 そこで,定数項を小さくするために

  R(x)=Q(x−2)=8x^5+x^4−128x^3−10x^2+40x−11=0

を考える.→R(±1),R(±11),R(±1/2),R(±11/2),R(±1/4),R(±11/4),R(±1/8),R(±11/8)は0にならない→既約である.

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 余談ですが,和算の開祖関孝和が連立方程式の消去法(今日の終結式に相当)を発見したのは和算の基礎を築いた偉業ですが,当人はしばしばそれを自慢(?)にして,もっと簡単にできる問題もことさら消去法を使って大変高次の複雑な方程式にしてしまった(?)と考えられる場面があるとのことです.

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