■四元数を用いた鏡映と回転(その1)
四元数(quaterion)は群、環、体などの代数的構造の理論という分野の中で不可欠な役割を担ったのですが、1843年、ハミルトンが発見して以来
3次元運動の力学系を記述するために使われてきて、スペースシャトルの制御でも利用されています。
また、電磁気学や相対性理論、三次元の非ユークリッド幾何学の法則を記述するのにも応用されています。
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【1】四元数を用いた鏡映
実数部分を0とすることで3次元空間の鏡映を考えることができます。
すなわち(x1,x2x3)と純虚四元数x=x1i+x2j+x3kを同一視します。
x~=-x1i-x2j-x3k=-x
f(x)=-ax~a=axa
(1,0,0)=i,(0,1,0)=j,(0,0,1)=kと同一視すると
[1]xy平面に関する鏡映:f(x)=kxk
[2]yz平面に関する鏡映:f(x)=ixi
[3]xz平面に関する鏡映:f(x)=jxj
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【2】四元数を用いた回転
f(x)=axa~
kik~=-kik=-jk=-i・・・xy平面上の180度回転
n=(n1,n2,n3)=n1i+n2j+n3k,n1^2+n2^2+n3^3=1
q=cos(θ/2)+nsin(θ/2)
|q|=cos^2(θ/2)+(n1^2+n2^2+n3^2)sin^2(θ/2)=cos^2(θ/2)+sin^2(θ/2)=1
nの周りにθ回転させる操作はqxq~で与えられる。
[1]xy平面に関する回転:q=cos(θ/2)+ksin(θ/2)
[2]yz平面に関する回転:q=cos(θ/2)+isin(θ/2)
[3]xz平面に関する回転:q=cos(θ/2)+jsin(θ/2)
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