■iの1/2乗について(その13)
【1】原始根
nを奇素数とする,nで割り切れない任意の数aに対し,
a,a^2,a^3,・・・,a^n-1 (modn)
を作る.このとき,常に
a^n-1=1 (modn)
が成立するが,aのベキの次数がn−1に到達する以前に,小さな次数kに対して
a^k=1 (modn)
が成立することがある.
逆に,n−1で初めて
a^n-1=1 (modn)
が起こることもあり,そのような数aを法nに関する原始根とよぶ.すなわち,原始根の周期はn−1といえるのである.どのような奇素数nに対しても法nに関する原始根は存在する(ガウス).
n=5,a=2の場合を調べてみると
2^1=2,2^2=4,2^3=3,2^4=1
→2は法5に関する原始根である.ord5(2)=4
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z^5-1=(z-1)(z^4+z^3+z^2+z+1)
z^4+z^3+z^2+z+1=0
となる4つのzの値を求めたい。
5の原始根は2である。2,4,3,1の項の順番にしたがって、
z+z^2+z^3+z^4=r1+r2=-1
r1=z^2+z^3, r2=z^4+z^1
とベキ指数を結合する。このとき、
r1・r2=z^6+z^3+z^7+z^4=z^1+z^3+z^2+z^4=-1
r1+r2=-1より、
r1=-g,r2=1/g
z+z^2+z^3+z^4=r1+r2=1/g-g=-1
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n=17の場合は、ガウスが17の原始根をつかって、そして17-1=16が2のベキであることを使って初めて解いた。
z^17-1=(z-1)(z^16+z^15+・・・+z+1)
コラム「指数合同式(その2)」
3^0=1、3^1=3,3^2=9,3^3=10,3^4=13,
3^5=5,3^6=15,3^7=11,3^8=16,
3^9=14,3^10=8,3^11=7,3^12=4,
3^13=12,3^14=2,3^15=6,3^16=1
であるから、m=17,g=3に対し
ind3(1)=0,ind3(2)=14,ind3(3)=1,ind3(4)=12
ind3(5)=5,ind3(6)=15,ind3(7)=11,ind3(8)=10
ind3(9)=2,ind3(10)=3,ind3(11)=7,ind3(12)=13
ind3(13)=4,ind3(14)=9,ind3(15)=6,ind3(16)=8
→3は法17に関する原始根である.
項の順番にしたがって、2群に分けると
z^3+z^10+z^5+z^11+z^14+z^7+z^12+z^6=z^3+z^-7+z^5+z^-6+z^-3+z^7+z^-5+z^6
z^9+z^13+z^15+z^16+z^8+z^4+z^2+z^1=z^-8+z^-4+z^-2+z^-1+z^8+z^4+z^2+z^1
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コラム「原始根と原始根予想(その9)」
n=17,a=10の場合を調べてみると
10^1=10,10^2=15,10^3=14,10^4=4,
10^5=6,10^6=9,10^7=5,10^8=16,
10^9=7,10^10=2,10^11=3,10^12=13,
10^13=11,10^14=8,10^15=12,10^16=1
→10は法17に関する原始根である.ord17(10)=16
項の順番にしたがって、2群に分けると
z^10+z^14+z^6+z^5+z^7+z^3+z^11+z^12=z^-7+z^-3+z^6+z^5+z^7+z^3+z^-6+z^-5
z^15+z^4+z^9+z^16+z^2+z^13+z^8+z^1=z^-2+z^4+z^-8+z^-1+z^2+z^-4+z^8+z^1
どちらも同じ結果となった。
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