■五次方程式が根の公式を使って解けないこと(その43)
ここでは、方程式x^3-3x+1=0は有理数解をもたないことを証明する
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有理数解q/pをもつと仮定する.ただし、p、qは互いに素
(q/p)^3-3(q/p)+1=0
q^3-3qp^2+p^3=0
q^3=3qp^2-p^3=p=p(3qp-p^2)・・・pの倍数
p、qは互いに素であるから、p=1
q^3-3q+1=0
1=3q-q^3=q(3-q^2)
q=1,-1
しかし、x=1,-1は解ではない
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3つの解をa,b,cとする。
差積(a-b)(a-c)(b-c)=+/-(4p^3-27q^2)^1/2=+/-9
これは有理数であるから、ガロア群に含まれる置換は差積を変化させてはならない。
したがって
×(bac),(acb),(cba)
〇(abc),(bca),(cab)
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D(f)=a0^(2n-2)Δ^2=0
ジラールの標準形であれば,判別式は簡単な形で表される.
f(x)=x^3+px+qの判別式は
D=−(4p^3+27q^2)
f(x)=x^n+px+qの判別式は
D=(-1)^(n(n-1)/2){(-n+1)^(n-1)p^n+n^nq^(n-1)}
また,fの次数が高い場合の判別式は,重根をもつことは判定できても,実係数2次方程式のように実根,虚根,重根の判別ができるわけではない.たとえば,実係数3次方程式では,
(H1)異なる3つの実数解をもつ
(H2)3つの実数解をもつが重根が入っている
(H3)1つの実数解と1組の共約な虚数解をもつ
のいずれかであるが,D>0ならばH1,D=0ならばH2,D<0ならばH3である.また,3重解をもつための必要十分条件はD=0,b^2−3ac=0である.
4次以上の実係数方程式の場合は
D=0:重根をもつ
D>0:偶数組の共約な虚数解をもつ(重根はない)
D<0:奇数組の共約な虚数解をもつ(重根はない)
であり,D=0は重根をもつための必要十分条件であっても,実根,虚根の判別ができるわけではないのである.
代数方程式が重根をもつための条件は判別式=0であるということであり,それが判別式の本来の意味である.実係数の2次,3次方程式では判別式の符号で実根の個数を判定することができるが,それは低次のときの特殊性に過ぎないのである.
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