■五次方程式が根の公式を使って解けないこと(その5)

【4】4次方程式の解法(フェラーリの方法)

 

 以上が3次方程式の解法に類似したオイラーの方法ですが,4次方程式の解法を初めて発見したのはフェラーリですからから,その解法も述べておかなければなりません.

 

 3次の項を欠いた4次方程式

  u^4+pu^2+qu+r=0

すなわち,

  u^4=−pu^2−qu−r

の両辺に2次式:2vu^2+v^2を加えて,

  u^4+2vu^2+v^2=(2v−p)u^2−qu+v^2−r

とすると,左辺は(u^2+v)^2となって完全平方になります.

 

 右辺の2次式は,判別式

  D=q^2−4(2v−p)(v^2−r)=0

のとき完全平方になりますから,D=0が成り立つようにvを定めると

  u^2+v=±√(2v−p){u−q/2(2v−p)}

と変形され2つの2次方程式に帰着されます.

 

 D=0の式を,vについて整理すると,

  8v^3−4pv^2−8rv+(4pr−q^2)=0

の解として求まることになりますから,結局,フェラーリは次数4の方程式は2次方程式と3次方程式に帰着させることができ,したがって平方根と立方根によって解けることを発見したのです.

 

 フェラーリの方法は平方完成によるものですが,図形的に解釈すると,4次元の超立方体の分割によるものではなく,正方形の分割を2度適用することに基づいています.

 

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