■包除原理(その6)
集合の包除関係を表すのにベン図(あるいはオイラー図)が用いられている.2円が交差した場合,交差部A∩Bにはアーモンド型ができる.包除の組み合わせは2^2=4通りあるが,どれにも属さない集合が2円の外側の領域で表される.
3円が交差した場合,3つのアーモンドが交差した部分A∩B∩Cにさらにルーローの三角型ができる.包除の組み合わせは2^3=8通りあるが,7通りと3円の外側の領域とですべて表される.
4円が交差した場合,包除の組み合わせは2^4=16通りあるが,外側を含めても14の領域しかできないようにみえる.これでは16通りの包除関係を表現できないことになってしまうが,原因は円を用いているからダメなのであって,楕円などの閉曲線を適宜用いるしかない.図の危ないところといえるだろう.
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ベン図では,3個の円を重ねて8通りの部分集合を示すことができる.しかし,4個の円を重ねても16通りの部分集合を図示することはできない.
2個の円は高々2カ所でしか交わらないので,4個の円を重ねても最大14通りの領域までしか増やすことはできないのである.
しかし,楕円を使えばそれが可能になる.楕円を使えば32通りの部分集合も図示することができるのである.
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ところで,3円が交差した場合,3つのアーモンドが交差した部分A∩B∩Cにさらにルーローの三角型ができる.包除の組み合わせは2^3=8通りあるが,7通りと3円の外側の領域とですべて表される.
しかし,各領域の要素数を面積比で正しく表現できる3円が交差したベン図を描くことはできないことは,以下の例を思い浮かべると直ちに理解できる.
{A}≠φ,{B}≠φ,{C}≠φ,{A∩B∩C}≠φ
{A∩B}=φ,{B∩C}=φ,{C∩A}=φ
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