■ビュフォンの針の問題(その27)
【補】n次元単位超球の体積Vnと表面積Sn-1
ガウス積分をn次元に拡張し,
I=int(-∞,∞)exp(-x12+x22+・・・+xn2)dx1dx2・・・dxn
を考えるとint(-∞,∞)exp(-x2)dx=π^(1/2)のn重積分より,直ちに
I=π^(n/2)を得ることができます.
n次元ガウス積分を別の方法,すなわち,直交座標でなく極座標で求めてみましょう.球に相当するn次元の図形を超球と呼びます.n次元単位超球{x12+x22+・・・+xn2≦1}の体積をVnとすると,V1=2(直径),V2=π(面積),V3=4π/3(体積)はご存知でしょう.また,単位超球の表面積Sn-1はnVn,半径rのn次元球の体積はVnr^n,表面積はnVnr^(n-1)となります.
ガウス積分の被積分関数を原点を中心とする半径rの球面上で積分し,次にr=0からr=∞まで積分すると,半径rの球面上で被積分関数は一定値exp(-r2)をとり,表面積はnVnr^(n-1)ですから,
I=int(0,∞)exp(-r2)nVnr^(n-1)dr
=nVnint(0,∞)r^(n-1)exp(-r2)dr
z=r2と変数変換するとdz=2rdrより
I=nVn/2int(0,∞)z^(n/2-1)exp(-z)dz
=Vnn/2Γ(n/2) n/2Γ(n/2)=Γ(n/2+1)
=VnΓ(n/2+1)
したがって,
Vn=π^(n/2)/Γ(n/2+1)
を得ることができます.また,Γ(m+1)=m!より,この結果は,形式的に
Vn=π^(n/2)/(n/2)!
と書くことができます.
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