■ビュフォンの針の問題(その21)
【1】問題集
このことからすぐ頭に浮かぶ問題をいくつかピックアップしてみます.これまで,コーシー分布
f(x)=1/π(1+x^2) (-∞は平均・分散のない分布で,実際,∫xf(x)dxのリーマン積分は1/π・1/2log(1+x2)であり,積分∫xf(x)dxは不定形∞−∞となるから定義されず,平均値が定義されないならば,もちろん分散も定義されないということを述べましたが,それでは,
[1]離散コーシー分布の平均
Σ(-∞,∞)n/(1+n^2)
は存在するか?
また,コーシー分布の累積分布関数は逆正接関数,ロジスティック分布の累積分布関数は双曲線正接関数で表されるのですが,
Σ(-∞,∞)1/(1+n^2)=π/tanh(π)
は,見方によっては逆正接関数と双曲線正接関数の間の変換式になっているわけで,逆に,
[2]離散ロジスティック分布
f(n)=exp(-n)/{1+exp(-n)}^2=1/4[sech{n/2}]^2
において,Σ(-∞,∞)f(n)はarctanの関数(π/arctanπにはなりませんが,たとえばこのような式)として表すことができるか?
Σ(-∞,∞)1/(1+n^2)=π/tanh(π)
をさらに一般化すると
Σ(-∞,∞)1/((α/2π)^2+n^2)=π(2π/α)/tanh(α/2)
α=2π→Σ(-∞,∞)1/(1+n^2)=π/tanh(π)
α=π→ Σ(-∞,∞)1/(1/4+n^2)=2π/tanh(π/2)
を得ることができるが,他にも
[3]「ζの香りの漂う式」を見いだすことはできるか?
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