■トリチェリのラッパのパラドックス(その1)

 曲線y=1/xのx≧1の部分をx軸のまわりで回転させて得られるのがトリチェリのラッパである.ラッパの体積は有限であるが,表面積は無限大となる逆説的な立体として知られている.

  V=π∫(1,∞)(1/x)^2dx=π[−1/x](1,∞)=π

  S=∫(1,∞)1/x(1+1/x^4)^1/2dx>∫(1,∞)1/xdx=[logx](1,∞)=∞

であるが,ラッパ形でなく塔形にすると調和級数に帰着され,複雑な積分計算を回避することができる.

  V=π∫(1,∞)(1/x)^2dx<πΣ1/n^2=π^3/6

  S=∫(1,∞)1/x(1+1/x^4)^1/2dx>2πΣ1/n=∞

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