■円積分の話(その1)
三角関数の有理関数の積分はt=tan(θ/2)とおくと有理関数の積分に帰着できることはほとんどの教科書に書かれている.数学の学習では「この場合にはこうする」といった技法を習うが「なぜそうすればうまくいくのか」といった基本原理にまでは言及されていないのが普通である.
うまくtanθ,cos^2θ,sin^2θだけの関数に書き表すことができる場合には,tanθ=tとおくことによって三角関数の有理関数の積分計算は格段と簡単になります.この場合,cos^2θ=1/(1+t^2),sin^2θ=t^2/(1+t^2)となりますから,tan(θ/2)=tとおいた場合に比べ,次数が約半分の有理関数になります.
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∫1/√(1-x^2)dx
において、x=cosθとおいて、置換積分すると、
∫1/√(1-x^2)dx=-θ+C
∫1/√(x^2-1)dx
において、x=1/sin2θとおいて、置換積分すると、
∫1/√(x^2-1)dx=log(x+√(1-x^2)+B
(u=x+√(1-x^2とおいて置換積分してもよい)
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これら2つの積分は左辺が非常に似ているのに、右辺の見た目はかなり違っている。
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