■オイラーの多面体定理とデーン・サマーヴィル関係式(その51)

 チューリングは数理生物学の基礎を形作ったひとりでもある.トラやシマウマの毛皮の独特の模様が形成される過程を数学的に説明することに成功した.

 多くの人は,貝殻を拾い上げてその着色パターンに驚嘆した覚えがあろう.それぞれが独特の美しさをたたえているが,そのパターン形成の仕組みはわかっていない.まるで科学者に対して挑んでいるかのように思えるこの問題の数学的解答が,二項展開あるいは三項展開である.

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【1】フィボナッチ数とパスカルの三角形

 パスカルの三角形では先頭と最後が常に1となり,その間の数値は前の行の連続した数値を加えていくことに得られる.一方,フィボナッチ数は前2項の和と等しい.どちらも再帰的(同じ規則を反復的に実行する)というわけである.

 パスカルの三角形になだらかな斜線を引いて,斜線上に並ぶ数の和をとればフィボナッチ数が順番に現れる.

  1+1=2,1+2=3,1+3+1=5,1+4+3=8,1+5+6+1=13,・・・

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