■ピックの公式と三角形分割(その11)
【1】オイラーの三角形分割問題
オイラーは,凸多角形を対角線によって三角形分割する方法は何通りあるかという問題を問うた.三角形は1通り,四角形は2通りと数えられる.
五角形の場合は5通り,6角形では14通り,七角形の場合は42通り,8角形では132通り,・・・.小さい方から並べると
1,2,5,14,42,132,429,・・・
オイラーは研究を深め,これらの数がカタラン数であることをつきとめた.円卓を囲む人たちが手を交差せずに握手できる方法の数は,カタラン数になっているのである.
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【2】オイラー問題の解答
凸多角形(n+2角形)に対角線を描いて,それをいくつかの凸多角形に分けるのではなく,対角線を互いに交わらないように引いて三角形分割する問題を考えよう.
[Q]凸n+2角形に互いに交わらないn−1本の対角線を引いて三角形分割する仕方の数c(n)は?
[A]この問題はオイラーが提起した幾何学問題である(オイラーの問題).4角形では2通り,5角形では5通りあることは数えられても,6角形ではそう簡単にはいかない(6角形に対しては14通りある).
6角形の場合,たとえばある対角線を引いて3角形と5角形,4角形と4角形,5角形と3角形に分割することができるが,そのような分割の仕方を場合分けすることで,積和型の漸化式
c(n+1)=c(0)c(n)+c(1)c(n−1)+・・・+c(n)c(0)
が得られる.ただし,c(0)=c(1)=1とする.
これはカタラン数の漸化式であって,カタラン数c(n)はnの増加に応じて急激に増加する.
c(0)=1,c(1)=1,c(2)=2,c(3)=5,
c(4)=14,c(5)=42,c(6)=132,
c(7)=429,c(8)=1430,c(9)=4862,・・・
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凸n+2角形にn-1本の対角線を引いて三角形に分割する仕方の数をc(n)とする。漸化式
c(n+1)=c(0)c(n)+c(1)c(n−1)+・・・+c(n)c(0)
は凸n+3角形の頂点を時計回りに1,2,・・・,n,n+1,n+2,n+3とし、1と2を結ぶ辺をeとすると、
eを含む三角形の頂点が1,2,i+3となるものの個数はc(i)c(n-i)となることから導かれる
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