■ピックの公式の一般化(その6)

【2】リーブの公式

 3次元の任意の格子多面体に対しては内部や境界面上の点の個数から体積を求める式はないという例をあげると,4点(0,0,0),(1,0,0),(0,1,0),(1,1,z)を頂点とする三角錐(体積z/6)では,

  内部の格子点数=0

  面上の格子点数=4

  辺上の格子点数=4

を変化させることなしに,zとともに体積をいくらでも大きくすることができる.

 しかし,半整数格子L2を導入すれば体積を求めることができるというのが,リーブの定理である.

  12V(ω)=2{L2(ω)−2L1(ω)+χ(ω)}−{L2(∂ω)−2L1(∂ω)+χ(∂ω)}

 凸格子点多面体の場合は,

  χ(ω)=−c=−1,χ(∂ω)=−(v−e+f)=−2

より

  12V(ω)=2{L2(ω)−2L1(ω)}−{L2(∂ω)−2L1(∂ω)}

 当該の三角錐の場合

  L1(ω)=4,L1(∂ω)=4

  L2(ω)=2z−1+10,L2(∂ω)=10

より

  V(ω)=z/6

 縦a,横b,奥行きc,体積abcの直方体の場合は

  L1(ω)=(a+1)(b+1)(c+1)

  L1(∂ω)=2(a+1)(b+1)+2c(a+1)+2(b−1)(c−1)

  L2(ω)=(2a+1)(2b+1)(2c+1)

  L2(∂ω)=2(2a+1)(2b+1)+4c(2a+1)c+2(2b−1)(2c−1)

より

  V(ω)=abc

 なお,ここで,

  L2(∂ω)−4L1(∂ω)=−6

が成り立っている.

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