■ピックの公式の一般化(その2)
【1】格子長方形を考える
ピックの公式の特別な場合として,単純な図形を考えてみよう.この公式は格子長方形(縦a,横b,面積ab)の場合を考えるとわかりやすい.
全格子点数=(a+1)(b+1)
内部の格子点数=(a−1)(b−1)=I
境界線上の格子点数=全格子点数−内部の格子点数=2(a+b)=B
したがって,
I+B/2−1=(a−1)(b−1)+(a+b)−1=ab=A
となる.
また,この格子長方形(縦a,横b,面積ab)にもう一つの格子長方形(縦c,横d,面積cd)を辺同士で貼り付けると,1辺は重なり,境界線の上の点の一部は合体し,その両端以外は内部の点に移行するから,公式の形は加法的に保たれる.一般にピックの公式が成り立っている2つの格子多角形について,それをくっつけても公式は成り立つ.
ピックの公式は長方形に対して成り立つことがわかったが,長方形に対して成り立つならば直角三角形に対して成り立つ→任意の三角形に対して成り立つ→任意の格子多角形に対しても成り立つというわけである.
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