■オイラーの多面体定理とデーン・サマーヴィル関係式(その8)
【1】デーン・サマービル関係式
n次単体的多面体に対しては,デーン・サマービル関係式
(−1)^(n-1)fk=Σ(k,n-1)(−1)^j(j+1,k+1)fj
が成り立つ.
−1≦k≦n−1
であるが,k=n−1の場合は自明.k=−1の場合はf-1=fn=1とみなせば,オイラーの関係式になる.
また,このデーン・サマービル関係式の書き方はいくつかあるが
Σ(0,k)(−1)^k-j(n−j,n−k)fj-1=Σ(0,n-k)(−1)^n-k-j(n−j,k)fj-1
fk-1=Σ(k,n)(−1)^n-j(j,k)fj-1
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頂点数f0のn多面体のj面の最大数はいくつか?に対して,頂点数f0のn巡回多面体はすべてのjに対して最大数のj面をもつというのが「上限定理」である.巡回多面体は単体的多面体である.
n次元コンパクト凸多面体(頂点数f0)のfjに関するモツキンの上限予想とは,多くとも頂点数f0のn次元巡回多面体cyclic polytopeのそれであるというものである.=f0頂点のn多面体の中で,もっとも多い面をもつのは巡回多面体である.
fj≦(頂点数f0のn次元巡回多面体cyclic polytopeのfj)
この上限予想はマクマレンによって1970年に証明され(マクマレンの上限定理),その後,スタンレーによって可換環論的再証明が与えられている.そこでは,fベクトルとhベクトルの関係が母関数を使って大変見通しよく説明することができている.
ファセット数は
n=2kのとき,fn-1=f0/(f0−k)・(f0−k,k)
n=2k+1のとき,fn-1=2(f0−k−1,k)
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