■直観幾何学研究会2022(その34)
単位円に内接する正n角形(P1,・・・,Pn)があるとき,単位円上の動点Qに対しても,
Σ(1,n)|QPj|^2m=(2m,m)n (n>m)
となる.
今回のコラムでは奇数乗和の一般式を導出してみることにする.単位円上の動点に対して,n>mのとき偶数乗和は一定となるが,奇数乗和は,定数にならない.
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【1】指数を大きくすると(奇数次)
Σ(1,n)|P1Pj|=2cot(π/2n)
Σ(1,n)|P1Pj|^3=6cot(π/2n)−2cot(3π/2n)
Σ(1,n)|P1Pj|^5=20cot(π/2n)−10cot(3π/2n)+2cot(5π/2n)
Σ(1,n)|P1Pj|^7=70cot(π/2n)−42cot(3π/2n)+14cot(5π/2n)−2cot(7π/2n)
2,6,20,70は中央二項係数(2m,m)であり,偶数乗和
Σ(1,n)|P1Pj|^2m=(2m,m)n
との類似がみられる.また,奇数乗和ではn>mといった必要条件も不要である.
また,不等式
Σ(1,n)|P1Pj|^2m-1<Σ(1,n)|P1Pj|^2m=(2m,m)n
が成り立つ.
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【2】セームール(セイモア?)の定理
単位円に内接する正n角形(P1,・・・,Pn)があるとき,単位円上の動点Qに対しても,
Σ(1,n)|QPj|^2m=(2m,m)n (n>m)
となる.
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