■直観幾何学研究会2022(その33)

【5】次元と指数を大きくすると

 定理1の面白いところは,2次元図形だけでなくすべての次元で通用することである.すなわち,すべての次元において,単位球に内接する正多胞体のすべての辺と対角線の長さの平方和はn^2で与えられることになる.無理数でなく整数! この美とエレガンス(気品)を鑑賞していただけたであろうか.

[1]指数を大きくすると(偶数次)

[定理]単位円に内接する正n角形のひとつの頂点から他のn−1個の頂点までの距離の平方和は2nに等しい

は任意の次元で成り立つ定理であるが,

[定理]単位円に内接する正n角形のひとつの頂点から他のn−1個の頂点までの距離の4乗和は6nに等しい

[定理]単位円に内接する正n角形のひとつの頂点から他のn−1個の頂点までの距離の6乗和は20nに等しい

[定理]単位円に内接する正n角形のひとつの頂点から他のn−1個の頂点までの距離の8乗和は70nに等しい

  Σ(1,n)|P1Pj|^2m=(2m,m)n

は正しい公式であるが,n>mであることが必要となる.したがって,6乗和公式,8乗和公式は正三角形に対しては成り立たない.8乗和公式は正方形に対しては成り立たない.

  m=1 → (2m,m)=2

  m=2 → (2m,m)=6

  m=3 → (2m,m)=20

  m=4 → (2m,m)=70

  m=5 → (2m,m)=252

  m=6 → (2m,m)=924

  m=7 → (2m,m)=3432

  m=8 → (2m,m)=12870

と続く.

 また,

  (Σ(1,n))|P1Pj|^2m+Σ(0,n))|P0Pj|^2m)/2=(2m,m)n  (n>m/2)

が成り立つ.

[2]次元も大きくすると

  m<0のとき,(正多面体)<(正多角形)

  m=0のとき,(正多面体)=(正多角形)

  m=1のとき,(正多面体)>(正多角形)

  m=2のとき,(正多面体)=(正多角形)

  m>2のとき,(正多面体)<(正多角形)

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