■直観幾何学研究会2022(その24)
19世紀に入って射影幾何学の原理を発見したのはポンスレーであった.
ナポレオンのロシア遠征に従軍した彼は置き去りにされ,ロシア軍に捕らえられ,投獄された.
獄中で射影法と円錐曲線の研究を始めたポンスレーは射影されたとき変化しない図形の性質,たとえば,共線や間隔と間隔の特殊な比率(複比)などをみつけた.
これらは射影幾何学の基本となり,また,すべての円錐曲線は円の射影と考えられるから射影幾何学の研究をさらに進めるために使われた.
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野田健夫先生(東邦大)はポンスレーの定理の三角形版の問題を扱った。
三角形を大円の内部におく.この三角形を中間三角形と呼ぶことにする
大円上の点P0から中間三角形の頂点へ接線を引き,大円と交わる点をP1とする.P1から再び中間三角形の頂点へ接線を引き,大円と交わる点をP2とする.
P2から再び中間三角形の頂点へ接線を引き,大円と交わる点をP3とする.
たいていの場合,最後の交点は最初の点P0と重ならない.しかしときとして完全に重なる場合があり、ミツウロコ型の図形が描かれる.
(このとき,最初の点P0をどこに選ぼうとも完全な三角形をなせばよいのであるが、1周ずっとは閉じないのである)
(円と三角形の中間に次々に接する接線列を作る問題は後で扱うことにする)
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