■直観幾何学研究会2022(その17)
結局,K3.3とK5を含グラフはどうやっても平面グラフにはならず,失敗に終わる運命にある(クラトウスキーの定理).
平面グラフに対しては
e≦3v−6
が成り立つ.
(証)各面は少なくとも3つの辺をもたなければならないから,
2e≧3f
オイラーの公式に代入すると
v−e+f=v−e+2e/3≧2 → e≦3v−6
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一方,(その16)に掲げた証明は
2e≧3f
を用いていたものですから,e≦3v−6を用いたものに書き換えてみます.
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【1】完全グラフK5の問題
v=5,e=10.もし,K5が平面的であるならば,
e≦3v−6
であるが,この不等式が成り立たないので,平面グラフではない.
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【2】完全2部グラフK3,3の問題
この問題のグラフ(v=6,e=9)に対して,不等式
2e≧3f
はもう少し良くなる.各面は少なくとも4つの辺をもたなければならないから,
2e≧4f
オイラーの公式に代入すると
v−e+f=v−e+2e/4≧2 → e≦2v−4
しかし,v=6,e=9に対してこの不等式が成り立たないので,平面グラフではない.
[補]平面性はe≦2v−4であるが,2次元の幾何学的安定性はe≧2v−3.
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