■直観幾何学研究会2022(その1)

平面上の2点をP(a1,a2),Q(b1,b2)とする。我々が普段考えている距離(ユークリッド距離)は

Σ(ai-bi)^2

であるが碁盤の目状に道路が整備された街では

  マンハッタン距離Σ|ai-bi|

を使うのが合理的である。

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本日行われた直観幾何学研究会において、佐藤健治先生(玉川大)が三角形の頂点まで距離のq乗和

  Σ|x−P|^q

を最小にする問題を提出された。

q=1の場合がフェルマー・トリチェリ点(最大内角<120)、最大内角の頂点(最大内角<120)

q=2の場合が重心

q=∞の場合が外心(最大内角<120)、最長辺の中点(最大内角<120)

昨年の講演のときよりは解析的な計算部分が多く

点Pまでの距離を√x,√y,√zとすると、点Pと頂点を結ぶ線分のなす角をα、β、γとすると

h=(√x)^q+(√y)^q+(√z)^2として、h最小を満たす点は

(√x)^q-1/sinα=(√y)^q-1/sinβ=(√z)^q-1/sinγ n

になるという。

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ここで、α+β+γ=2π

x=y+x-2√y√zcosα

(tanα/2)^2={(√x)^q-1+(√y)^q-1+(√z)^q-1}{(-√x)^q-1+(√y)^q-1+(√z)^q-1}/{(√x)^q-1-(√y)^q-1+(√z)^q-1}{(√x)^q-1+(√y)^q-1-(√z)^q-1}

より

q=∞の場合、√x=abc/2S=abc/Δ

q=2の場合、√x={√(2b^2+2c^2-a^2)}/3

q=1の場合、√x=√L・{1-(2a^2-b^2-c^2)/L}/3,L=(a^2+b^2+c^2)/2+3√S・・・Lはヘロンの公式に現れる式?

形式的にであるが、q=0の場合、答えは2つあってその中点は重心である

q=-1の場合・・・、q=-∞の場合・・・などなど

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それでは・・・

[Q]qを変数とするときの点Pが描く曲線は?

q=1,2,∞以外の値に対して頂点への距離のq乗和あるいは辺への垂線のq乗和を最小あるいは最大にする点がどのようなものか存じませんが、シュタイナー以後19世紀にこの種の問題がいろいろ研究され、いろいろな名がつけられた三角形の心があります。

それらはいまは大半忘れられたようですが、その中にはこの種の心の研究があるかもしれません。

佐藤健治先生はコンピュータでqを動かしたときの軌跡を描いておられましたが、いずれにしても簡単な曲線ではないと思います。

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