■正多面体の正多角形断面(その113)

正四面体の辺の中点をうまく結ぶと正方形ができます。

ところで、正四面体に限らず、正単体をn次元空間内で作ると一般に座標が無理数になりますが、そこで、

正単体をもっとも手軽に作るには全体を1次元上げて、n+1次元空間の単位点n+1個からなる単体をとることです。

正5胞体の場合

P1:(1,0,0,0,0)

P2:(0,1,0,0,0)

P3:(0,0,1,0,0)

P4:(0,0,0,1,0)

P5:(0,0,0,0,1)

辺の中点は(1/2,1/2,0,0,0),・・・

面の中心は(1/3,1/3,1/3,0,0),・・・

正四面体の中心は(1/4,1/4,1/4,1/4,0),・・・

正5胞体の中心は (1/5,1/5,1/5,1/5,1/5)

1辺は√2になります。

正5胞体の相隣る5辺の中点は

(1/2,1/2,0,0,0),(0,1/2,1/2,0,0),(0,0,1/2,1/2,0),(1/2,0,0,1/2,0),(1/2,0,0,0,1/2)

となって、1辺の長さ√1/2,対角線の長さ1となって、正五角形ではないことがわかります。

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正5胞体の5頂点

は超平面:x1+x2+x3+x4+x5=1上にあります。

また、赤道面

は超平面:x1-x4=X(x2-x3),x2-x5=X(x3-x4),x3-x1=X(x4-x5)上にあるとすると

これらはx4-x2=X(x5-x1), x5-x3=X(x1-x2)も満たしますから、

X^2-X-1=0,X=τ,-τ^-1

5点の巡回置換の2つある不変平面は

x1-x4=τ(x2-x3),x2-x5=τ(x3-x4),x3-x1=τ(x4-x5)と

x2-x3=X(x4-x1), x3-x4=X(x5-x2),x4-x5=X(x1-x3)

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5点の巡回置換の2つある不変平面は

x1-x4=τ(x2-x3),x2-x5=τ(x3-x4),x3-x1=τ(x4-x5)と

それに直交する超平面: x2-x3=X(x4-x1), x3-x4=X(x5-x2),x4-x5=X(x1-x3)

例えば、面P2P3P4はx2+x3+x4=1,x1=0,x5=0上にあり、

x1-x4=τ(x2-x3),x2-x5=τ(x3-x4),x3-x1=τ(x4-x5)との共有点は(0,τ^-1/√5,1/√5,τ^-1/√5)

この巡回置換によって正五角形の頂点が得られます。

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(τ^-1/√5,1/√5,τ^-1/√5,0,0)

(0,τ^-1/√5,1/√5,τ^-1/√5,0)

(0,0,τ^-1/√5,1/√5,τ^-1/√5)

(τ^-1/√5,0,0,τ^-1/√5,1/√5)

(1/√5,τ^-1/√5,0,0,τ^-1/√5)

この5点は超平面:x1+x2+x3+x4+x5=1上にあるが、2次元平面上に載る形には表さないだろうか?

もしこの平面の方程式が分かれば辺との交点を求めて中心断面の形を知ることができる。

x1(1,0,0,0,0)

x2(0,1,0,0,0)を結ぶ直線の方程式は

{x1-(1,0,0,0,0)]/{(0,1,0,0,0)-(1,0,0,0,0)}={x2-(1,0,0,0,0)]/{(0,1,0,0,0)-(1,0,0,0,0)}

(x1-1)/(-1)=x2/(1)

x1+x2=1,x3=0,x4=0,x5=0

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(τ^-1/√5,1/√5,τ^-1/√5,0,0)は

x1+x2+x3=1,x4=x5=0に載っている

辺x1+x2=1との交点は辺全体である。

→しかし、x1+x2+x3=1,x4=x5=0は中心を通らないし、ほかの四点も通らないので、この説明はおかしい

(0,τ^-1/√5,1/√5,τ^-1/√5,0)

x2+x3+x4=1,x1=x5=0に載っている、

辺x1+x2=1との交点はx2=1である

(0,0,τ^-1/√5,1/√5,τ^-1/√5)

x3+x4+x5=1,x1=x2=0に載っている、

辺x1+x2=1との交点はない

(τ^-1/√5,0,0,τ^-1/√5,1/√5)

x1+x4+x5=1,x2=x3=0に載っている

辺x1+x2=1との交点はx1=1である

(1/√5,τ^-1/√5,0,0,τ^-1/√5)

x1+x2+x5=1,x3=x4=0に載っている

x1+x2=1との交点は辺全体である。

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  φ^-4=−3φ+5、 √5φ^-4=7φ−11

  φ^-3=2φ−3、 √5φ^-3=-4φ+7

  φ^-2=−φ+2、 √5φ^-2=3φ−4

  φ^-1=φ−1、 √5φ^-1=−φ+3

  φ^0=1、 √5φ^0=2φ−1

  φ^1=φ、 √5φ^1=φ+2

  φ^2=φ+1、 √5φ^2=3φ+1

  φ^3=2φ+1、 √5φ^3=4φ+3

  φ^4=3φ+2、 √5φ^4=7φ+4

  φ^5=5φ+3、 √5φ^5=11φ+7

  φ^6=8φ+5、 √5φ^6=18φ+11

 右辺mφ+nの係数m,nはフィボナッチ数列をなす.

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(τ^-1/√5,1/√5,τ^-1/√5,0,0)

(0,τ^-1/√5,1/√5,τ^-1/√5,0)

(0,0,τ^-1/√5,1/√5,τ^-1/√5)

(τ^-1/√5,0,0,τ^-1/√5,1/√5)

(1/√5,τ^-1/√5,0,0,τ^-1/√5)

を通る中心平面を

(x1-1/5)+b(x2-1/5)+c(x3-1/5)+d(x4-1/5)+e(x5-1/5)=0とおく。

(√5τ^-1/5-1/5)+b(√5/5-1/5)+c(√5τ^-1-1/5)+d(0-1/5)+e(0-1/5)=0

(0-1/5)+b(√5τ^-1/5-1/5)+c(√5/5-1/5)+d(√5τ^-1/5-1/5)+e(0-1/5)=0

(0-1/5)+b(0-1/5)+c(√5τ^-1/5-1/5)+d(√5/5-1/5)+e(√5τ^-1/5-1/5)=0

(√5τ^-1/5-1/5)+b(0-1/5)+c(0-1/5)+d(√5τ^-1/5-1/5)+e(√5/5-1/5)=0

(√5/5-1/5)+b(√5τ^-1/5-1/5)+c(0-1/5)+d(0-1/5)+e(√5τ^-1/5-1/5)=0

(√5τ^-1-1)+b(√5-1)+c(√5τ^-1-1)-d-e=0

-1+b(√5τ^-1-1)+c(√5-1)+d(√5τ^-1-1)-e=0

-1-b+c(√5τ^-1-1)+d(√5-1)+e(√5τ^-1-1)=0

(√5τ^-1-1)-b-c+d(√5τ^-1-1)+e(√5-1)=0

(√5-1)+b(√5τ^-1-1)-c-d+e(√5τ^-1-1)=0

(τ^-2)+b(2τ^-1)+c(τ^-2)-d-e=0

-1+b(τ^-2)+c(2τ^-1)+d(τ^-2)-e=0

-1-b+c(τ^-2)+d(2τ^-1)+e(τ^-2)=0

(τ^-2)-b-c+d(τ^-2)+e(2τ^-1)=0

(2τ^-1)+b(τ^-2)-c-d+e(τ^-2)=0

e=-1+b(τ^-2)+c(2τ^-1)+d(τ^-2)を代入すると

(τ^-2)+b(2τ^-1)+c(τ^-2)-d+1-b(τ^-2)-c(2τ^-1)-d(τ^-2)=0

-1-b+c(τ^-2)+d(2τ^-1)+(τ^-2){-1+b(τ^-2)+c(2τ^-1)+d(τ^-2)}=0

(τ^-2)-b-c+d(τ^-2)+(2τ^-1){-1+b(τ^-2)+c(2τ^-1)+d(τ^-2)}=0

(2τ^-1)+b(τ^-2)-c-d+(τ^-2){-1+b(τ^-2)+c(2τ^-1)+d(τ^-2)}=0

(τ^-2+1)+b(2τ^-1-τ^-2)+c(τ^-2-2τ^-1)-d(1+τ^-2)=0

-1-τ^-2+b(-1+τ^-4)+c(τ^-2+2τ^-3)+d(2τ^-1+τ^-4)=0

(τ^-2)-2τ^-1+b(-1+2τ^-3)+c(-1+4τ^-2)+d(τ^-2+2τ^-3)=0

(2τ^-1)-τ^-2+b(τ^-2+τ^-4)+c(-1+2τ^-3)+d(-1+τ^-4)=0

√5τ^-1+b(√5τ^-2)+c(-√5τ^-2)-d(√5τ^-1)=0

-√5τ^-1+b(-√5τ^-2)+c(√5τ^-2)+d(√5τ^-1)=0

-√5τ^-2+b(-√5τ^-3)+c(√5τ^-3)+d(√5τ^-2)=0

√5τ^-2+b(√5τ^-3)+c(-√5τ^-3)+d(-√5τ^-2)=0

τ+b-c-dτ=0

-τ-b+c+dτ=0

-τ-b+c+dτ=0

τ+b-c-dτ=0

b=c=d-e=1

結局、x1+x2+x3+x4+x5=1となった。

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x1+x2=1,x3=x4=x5=0との交点→辺全体

x2+x3=1,x1=x4=x5=0との交点→辺全体

x3+x4=1,x1=x2=x5=0との交点→辺全体

x4+x5=1,x1=x2=x3=0との交点→辺全体

x5+x1=1,x2=x3=x4=0との交点→辺全体

他の辺

x1+x3=1,x2=x4=x5=0との交点→辺全体

x1+x4=1,x2=x3=x5=0との交点→辺全体

x1+x5=1,x2=x3=x4=0との交点→辺全体

x2+x4=1,x1=x3=x5=0との交点→辺全体

x2+x5=1,x1=x3=x4=0との交点→辺全体

x3+x5=1,x1=x2=x4=0との交点→辺全体

ということになる

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