■パウル・シャッツ環とヨハネス・シェンケ環(その25)
Polygomometryの計算が一段落ついたので、pentadron cubeの模型製作を開始。割合簡単にヒンジ位置を決定することができた。
以前の検討で、鼈臑(べつどう,1/6立方体)を6個つないだ場合は連続回転できないが,8個つなぐと連続回転が可能になるとある。
紙とセロハンテープからなる模型では,実際に動かしてみると遊びがあるように見えるのは紙とセロハンテープからなる模型だからであろうか?
===================================
【1】パウル・シャッツ環の動作
パウル・シャッツ環はパウル・シャッツ立体3対を使ったサメの顎のような動くおもちゃで,輪郭が正六角形となるとき中央には正三角形の穴があき,中央の穴が閉じたとき片面は正三角形の平面になる.このとき,パウル・シャッツ立体1対で陽馬型を形成することになる.
この一連の動作中,パウル・シャッツ環は常に3回対称を保って変形し,あるジョイントの角度を決めれば形が一通りに定まる1自由度の系である.
連続回転する多面体の環の基本形は一般化したパウル・シャッツ立体であり,a≦1/√3より細長くかつ平たい四面体6個(鏡像体を3個ずつ交互に)をつなくと1自由度回転することができることがわかる.ただし,片面が正三角形の平面になったとき中央の穴が閉じるのはa=1/√3のときに限られることも理解される.パウル・シャッツ環の秀逸さを示すものである.
===================================