■サマーヴィルの公式と三角錐(その10)

【1】ヘロンの公式

3辺の長さがa,b,cの三角形の面積をΔとすると,

(4Δ)^2=2a^2b^2+2b^2c^2+2c^2a^2−a^4−b^4−c^4

  =(a+b+c)(−a+b+c)(a−b+c)(a+b−c)

ここで,2s=a+b+cとおくと

  Δ^2=s(s−a)(s−b)(s−c)

となり,ヘロンの公式が得られます.

辺の長さが13,14,15の三角形の面積を求めてみると、半周長は21ですから

{21(21−13)(21−14)(21−15)}^1/2=84

三辺の長さと面積が整数値をとる三角形をヘロンの三角形と呼びます。

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【2】ブレットシュナイダーの公式

四角形の4辺の長さをa,b,c,d,内角をα,β,γ,δとする. また,(β+δ)/2=θとおくと,

  (1+cos(β+δ))/2=(1+cos2θ)/2=cos^2θ

であるから,辺a、bのなす角をα,辺c、dのなす角をβ,θ=(α+β)/2とすると,

19世紀になってから四角形の面積を正確に求める公式(ブレットシュナイダーの公式)が得られた.

ここで,2s=a+b+c+dとおくと,四角形の面積は

  S^2=(s−a)(s−b)(s−c)(s−d)−abcd(1+cos(β+δ))/2

  S=((s−a)(s−b)(s−c)(s−d)−abcdcos^2θ)^1/2

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【3】ブラーマグプタの公式

四角形は4辺の長さを与えてもその形は決まらないので,そのような公式は期待できませんが,四角形が円に内接するとき,面積は最大値をとり,ブラーマグプタの公式

  S=((s−a)(s−b)(s−c)(s−d))^1/2,

  s=(a+b+c+d)/2

が成り立ちます.

(証明)

 四角形の4辺の長さをa,b,c,d,内角をα,β,γ,δとする.ここで,2s=a+b+c+dとおくと,四角形の面積は

  S^2=(s−a)(s−b)(s−c)(s−d)−abcd(1+cos(β+δ))/2

となる.

 四角形が円に内接するとき,β+δ=π,cos(β+δ)=−1より,面積は最大となり

  S^2=(s−a)(s−b)(s−c)(s−d)

が成り立つ.この定理でd→0とすると,三角形のヘロンの公式

  Δ^2=s(s−a)(s−b)(s−c)

が得られる.しかしながら,円に内接する五角形や六角形については,ヘロンの公式の類似物は存在しない.

 この定理でd→0とすると,三角形のヘロンの公式

  Δ^2=s(s−a)(s−b)(s−c)

が得られる.

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