■シュレーフリの公式と直角三角錐(その17)

 オイラーはいろいろな工夫をして,

  log(sinx)=-Σcos(2nx)/n-log2

であることをつきとめ,広義積分

  ∫(0,π/2)log(sinx)dx=-π/2log2

の値を求めています.

 

 また,これを代入して計算すれば

  1/1^3+1/3^3+1/5^3+・・・=π^2/4log2+2∫(0,π/2)xlog(sinx)dx

  ζ(3)=2π^2/7log2+16/7∫(0,π/2)xlog(sinx)dx

が得られます(1772年).

 

  Σcos(2nx)/n=-log(sinx)-log2

というわけですが,ところで(その5)においてシュレーフリ関数について解説した際,

  Σcos(2nx)/n^2

が出現しました.

  |Σcos(2nx)/n^2|<Σ1/n^2=ζ(2)=π^2/6

は容易にわかりますが,この値は如何に?

 

 実は,

  Σcos(2nx)/n^2=(π/2-x)^2−π^2/12

となるのですが,x=0を代入すると

  Σ1/n^2=π/2^2−π^2/12=π^2/6

となることがわかります.

 

 ところで,

  Σcos(2nx)/n=-log(sinx)-log2

との関係はどうなっているのでしょうか? そこで,今回のコラムでは,シュレーフリ関数の補足説明を行いたいと思います.

 

 なお,ログコサイン積分

  L(x)=-∫(0,x)log(cosx)dx

はロバチェフスキー関数,ジログ関数

  L2(x)=Σx^n/n^2=-∫(0,x)log(1-t)/tdt=φ(x)

はアーベル関数とも呼ばれ,ともにシュレーフリ関数と関係しています.

  -log(1-x)=x+x^2/2+・・・=Σx^n/n

より

  -∫(0,x)log(1-t)/tdt=Σx^n/n^2

となることは既におわかりでしょう.

 

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