■空間らせん(その10)
等角航路(航程線)
方位磁石で一定の方角を維持したまま移動したときの経路を等角航路という。
大円に沿って移動するのと違い、等角航路に沿って移動し続けても元の地点に戻ることはない。
等角航路に沿う移動の場合、らせんを描いて北極に到達してしまうからである。
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メルカトール図法と航程線
われわれが最も慣れ親しんでいる世界地図は,メルカトールの地図と呼ばれるものである.メルカトールの地図は等角写像,すなわち,任意の点から任意の他の点までの正しい方向(方位角)を示す地図であって,海図として航海のナビゲーション用に広く使用されている.
船が羅針盤を頼りに経線・緯線となす角を一定にとって進むことにする.メルカトール図法ならは経線・緯線は平行な縦横の線として表されているので航路は直線になる.しかし,メルカトールの地図は正距図法ではないので,地図上の任意の2つの点を結ぶ線分(航程線)は測地線ではない.
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エッシャーと球面らせん
このような航路が描く線を航海術の用語で航程線というが,これを球面上で見れば渦巻き線となる.
オランダの版画家エッシャーは数学を深く理解していた画家で,これとよく似た木版画「球面らせん」という作品を製作している.
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