■相対論と量子論
相対論
20世紀の入ろうとするころ、物理学は巨大な矛盾に悩まされていた。アインシュタインが問題にした矛盾とは、ニュートンの運動力学とマクスウェルの電磁気学の間に見られる不一致のことである。
ニュートンの力学では一つの物体の運動は別の物体に対する相対的な運動として測定されるが、光の速度の相対的な変化は誰にも測定できず、光源が近づいてくる場合でも、離れていく場合でも常に同じ速度である(電磁気学でも光の速度は常に一定であると説明されていることであった)。アインシュタインはその理由を知りたかったのである。
結局、光速が一定になるためには時間の流れる速さが異なったり、空間の大きさが縮んだり広がったりすることが必要であった。1916年の一般相対性理論では運動とエネルギーや質量が空間と時間をゆがめるというものであった。重力も空間と時間がエネルギーによってゆがめられたことによって生じるのである。アインシュタインの考えは驚きを迎えられることとなった。
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量子論
19世紀末から20世紀初頭にかけて,物質の不連続性(原子),電気の不連続性(電気素量e)に引き続き,エネルギーの不連続性(hν)という自然の秘密は徐々に暴かれてきました.ニュートンが力学の原理からケプラーの法則を根拠づけたように,ボーアもまたエネルギーの量子化というプランクの考えを原子に導入し、量子論から水素のスペクトルに特徴的なバルマーの公式の解釈を導き出した.
1925年、ハイゼンベルグが行列力学を、シュレディンガーが波動力学を提唱しました。ハイゼンベルグは電子が粒子であることを前提とし、行列方程式を導きました。一方、シュレディンガーは電子の波動的性質から波動方程式を導きました。
行列力学と波動力学は、別々に独立に存在し、それぞれが前提としていたことが大幅に異なっていたのですが、形式こそ違え、物理的には等値で、「量子力学」という1つの理論を表現していることが証明されました。
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物理学が発展するにつれて自然は理解しやすいものになっていくとは限らない.電子は粒子であると思われていたのが同時に波であるとか,光も波であると同時に粒子であるとか実にパラドキシカルである
粒子と波はまったく違うカテゴリーの概念であると思われるのだが,これらは古典的な概念をはるかに超える存在であった.もともと波でも粒子でもなく,実験方法によって波のような属性,粒子のような属性を表す存在なのである.
ともあれ、量子論は物質が電場や磁場の中に置かれたときの振る舞いを説明し,量子論抜きにして現代のエレクトロニクスは考えられないのです.
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