■用紙サイズと化学肥料

19世紀の著名な化学者オストワルドは白銀比1:√2からなる用紙サイズを考案した。

これにより長方形の長い辺を2等分することで、2つの相似な長方形に分割される。A3サイズ半分にしていくことでA4,A5サイズとなるのである。

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ところで、研究者にはいろいろなタイプがあります。オストワルドは、研究者をその研究姿勢から2つに類別しています。

古典型と浪漫型の2型ですが、前者は不可能な夢は追わずに短期間に解決できそうな問題を優先に取り組む研究者であり、後者は瑣末な問題には目もくれずあくまで夢を可能な形にもっていこうとする研究者です。

さらに、問題の詳細を突き詰めて考えていく虫の眼型、より広い観点から見渡して進むべき方向を見定める鳥の眼型、狭い世界に閉じこまって自分とは無関係な学問と絶縁する微分型、自分の学問とはかけ離れた分野を(完全には理解できないまでも)その重要性だけは認識できる積分型など様々です。

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同じくドイツの化学者ハーバーは、毒ガス開発の父とされ、アインシュタインから「才能を大量殺戮のために使っている」といわれた化学者である。

急性呼吸器症状をもたらすイペリットガスは第1次大戦で化学兵器として、また、第2次大戦ではユダヤ人のホロコーストに使われた。

しかし、細胞障害を惹起・細胞分裂を阻害するという生物学的作用が注目され、この毒ガス兵器は現在、抗がん剤に転用されている。

また、第2次大戦後の日本の国土は荒廃し、何より食糧増産が急務であった。私が生まれ育った東北地方ではあちこちに肥料工場が建てられ、そこは数メートルの太さのダクトがうねっている巨大なプラントであった。

このとき、硫安(硫酸アンモニウム)の生産量を飛躍的に向上させた触媒法(大気中の窒素と水素ガスから直接アンモニアとつくる)はハーバー法を呼ばれるものであった。

ハーバーは大量殺戮者であった反面、がん患者を救い、戦後日本を飢えから救った大恩人でもあるだ。

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