■折り紙と作図(その7)

非常に薄い材料でできた円柱,たとえば,缶ビールの空き缶を立てておいて軸に沿って均等に力をかけるとダイヤモンドパターンが現れる.

これは円筒上の座屈によって生じたぎざぎざの山谷模様(二等辺三角形)で、このパターンは吉村慶丸教授にちなんで「吉村パターン」と呼ばれている.

 実際,製造時に吉村パターンを実現させて,強度を保ちながら材料を約30%も減らしたキラキラ光るチューハイ缶やコーヒー缶が市販されて,

コストカットや軽量化が実現できることから、ご存じの方も多かろう.

じつはこれももともと宇宙工学で考え出された頑丈な形であって,学問的な名称は「疑似円筒凹多面体」(略称PCCP).すなわち,アンチプリズムを重ねた疑似円筒形であって,そのガウス曲率はいたるところ0になっている.だから折り紙でモデルを作れるのだ.

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