■いろいろな平面らせん(その31)
黄金らせんという用語は2つの場合に使われていて、混乱を招きやすいので注意が必要である。
===================================
[1]フェルマーらせん
平面極座標(rn、θn)で表される点列を考える。
とくに、(√n、2πn/τ^2)の場合が、フィボナッチらせん(別名・黄金らせん)である。
rn=√n
は最初のn点が半径√nの円に含まれていることを意味する。
nを消去すると,
θ=2πr^2n/τ^2
r=τ/√2π・√θ
となるから、このらせんはフェルマーらせんである。
===================================
フィボナッチらせんの最も顕著な性質は「点分布の一様性」である。
つまり、一つのディリクレ領域の面積はほぼ一定となる。これは最も効率のよい配置と考えることができる理由である。
α=2π/τ^2で作られるらせん分布の一様性にはそれ以外の角で作られたパターンと比べて著しい特徴がある。
αが有理数で、α=M/Nと書けたとすると、(n+N)番目の点はすべてn番目の点と同一の動径方向をもつから、Nほんの放射状パターンになってしまう。
===================================
[2]対数らせん
黄金らせんというと、一般的には、90度回転するごとに黄金比倍拡大するらせんのことをさす。
r=a^θ
τr=a^(θ+π/2)
より
τ=a^(π/2)
logτ=π/2loga
loga=2/π・logτ
a=τ^(2/π)
r=a^θ=τ^(2θ/π)
と表される対数らせんである。
===================================