■細矢インデックス(その1)

グラフ理論というとケーニヒスベルクの橋の問題のようなパズルを想起させるが、現在、グラフ理論は多様性と深さを備えた理論を豊富に有する分野となっている。

ある種の分子の個数を数える問題は木の数え上げ問題に帰着され、ケイリーやシルベスターによって研究された。原子価の概念が確立され、それぞれの原子はいくつかの結合手をもち、ほかの原始と結ばれる。

たとえば、炭素原子は4つの結合手、酸素原子は2つの結合手、水素原子は1つの結合手をもつ。

これにより異性体の数え上げ問題(与えられた化学式をもつ分子の数を決定するという問題に行き着いた。

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1874年、ケイリーはこれらの異性体はすべて木のような構造をもっていて、木の数え上げ問題に帰着されることを明らかにした。

例えば、CnH2n+2の分子数は

n=1,2,3,4,5,6,7,8,・・・

1,1,1,2,3,5,9,18,・・・

しかし、各頂点の次数が高々4のn頂点の木の個数となると、次数に関する制限は取り扱うのが容易ではない。

1889年にはラベル付き木の数え上げ問題に取り組んで、t(n)=n^(n-2)を決定した。たとえば、n=4ならばこのような木の数は16である。

19世紀半ば、ケイリーはn本の辺をもつ根付き木の個数An数え上げ問題に取り組んだ。

もしその根に3個の辺が連結しているならば、それらを除去することによって3個の独立した根付き木が生成される。

したがって、根付き木の母関数は

1+A1x+A2x^2+A3x^3+・・・(1-x)^-1(1-x^2)^-A1(1-x^3)^-A2(1-x^4)^-A3・・・

を満たすことになる。同様の方法で根無し木の個数も計算することができる

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シルベスターは分子と不変式の関係を確立させようとしてしていた。例えば、原子は2項斉次多項式ax^3+3bx^2y+3cxy^2+dy^3と比較した。(

化学的話題と代数的話題の関係を確立させようとする話題は、創始者が期待していたほどには役に立たないことが明らかになった)

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ポリアは、巡回指数を使って、母関数の方法と分子の多くの配置を数え上げるための置換群の着想を結びつけたのである。(ポリアの定理)

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