■いろいろな平面らせん(その2)

平面らせんには

ベルヌーイらせん(r=aθ,対数らせん)

アルキメデスらせん(r=aθ)

フェルマーらせん(r=a√θ,放物らせん)

r=a/θ(双曲らせん)

r=a/√θ (ラッパ線)

r=aθ2, r=aθk (代数らせん)

などの種別があるが、代表的な平面らせんといえば、

[a] Bernoulliらせん:r=a^θ

[b] Archimedesらせん:r=aθ

[c] Fermatらせん:r^2=aθ

で、それぞれ、隣接する渦巻きの間隔は原点から遠いほどそれぞれ広くなる・等間隔・狭くなる。

たとえば、対数らせんr=a^θの幅は中心から離れるほどが拡大するのに対して、アルキメデスらせんr=aθは幅が一定の螺線で,それを用いた角の3等分の方法が知られている

フェルマーらせんr^2=aθの幅は中心から離れるほど小さくなる.フェルマーらせんは形式的には放物線y^2=axと似ていることから放物らせんとも呼ばれる..

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[2]平面らせん上の点配置

植物構造に現れるフィボナッチ数は、パイナップルやマツカサ、ヒマワリなどいろいろなところで見られる。通常,ヒマワリの花芯では左巻き21重、右巻き33重、左巻き55重らせんなど時計回りと反時計回り2方向の互いに交わる多重らせんが現れる。これがFibonacciらせんと呼ばれる所以である。多数の対数らせんが最も稠密に絡み合って魅惑的なパターンの花芯となるのである.

黄金角とは360°を1:φに内分した角度(137.5°,222.5°)をさす。

コクセターによれば、フィボナッチパターンが現れるのは黄金角のときである 。

ヒマワリの花序では対数らせん、アルキメデスらせん、フェルマーらせんの用語がしばしば混同される。

葉序則は角度θの規則性であって,動径方向rの規則ではないのだが、このことが混乱の原因と思われる。

植物の構造に、なぜこの特別な角度が現れるのかという謎を解くカギはフェルマーらせんにあった。

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フェルマーらせんとして「黄金らせん」

動径方向の分布則としてフェルマーらせんを仮定する。フェルマーらせんと黄金角が結びつくと、一様な点分布が形成される。逆に一様分布になるためにはフェルマーらせんに限ることが知られている

Voronoi領域の面積がほぼ一定で、最も効率の良い配置と考えることができる

Fibonacciらせんの最も顕著な性質は点分布の一様性であり、それ以外の角で作られたパターンと対比すると著しい特徴がある。

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フィボナッチパターンが現れるのは黄金角のときだけなのだろうか?

黄金角以外との組み合わせ

a) 有理数

b) 無理数・・・白銀比・青銅比

c) 超越数・・・π, e

などを試みていただきたいのであるが、ヒマワリの種の配置にに近い模様を作り出すのは結構難しい問題である。

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ところで、ヒマワリの種の配置の全体を眺めるのではなく、局所だけを見ることができるものとする。

その際、局所から全体のヒマワリの種の配置が

[a] Bernoulliらせん:r=a^θ

[b] Archimedesらせん:r=aθ

[c] Fermatらせん:r^2=aθ

のいずれになっているのか、判定する問題はもっと難しい問題となる。(不可能かもしれない)

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