■ケプラー三角形と黄金直方体

 天文学者のケプラーはその著書「宇宙の神秘」において,幾何学の2つの至宝と称してピタゴラスの定理と黄金比φをあげています.ピタゴラスの定理からは立方体,正四面体,正八面体,黄金比からは正十二面体と正二十面体が作られると考えて,そのように述べているのです.

 3辺の長さ比が1:√φ:φの直角三角形はケプラー三角形として知られています.

  1^2+x^2=φ^2 → x=√(φ^2−1)=√φ

 ケプラー三角形には,ピタゴラスの定理と黄金比という数学的に重要なコンセプトは2つ含まれているというわけです.

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ケプラー三角形は辺の長さの比が等比級数をなす直角三角形ですが、辺の長さの比が等比級数をなす直方体を考えてみましょう。

辺の長さを1/x:1:xとします。直方体の体積は1となります。このとき、対角線の長さを2とすると

x^2+1+1/x^2=4

x^2+1/x^2=3

(x-1/x)^2=1

x-1/x=1

x^2-x-1=0→x=φ,y=1,z=1/φ(すなわち黄金直方体)

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