■円分方程式の因数分解(その39)

【5】フェルマー素数

 22^m+1の形の素数をフェルマー素数といいます.フェルマー素数はガウスによって1世紀にわたる眠りから覚まされ,数論と幾何学に新たな美しさを吹き込んだことになります.フェルマーはこの型の数がすべて素数だと勘違いしていて必ず素数を与える式として考え出されたのですが,m=5のときは素数ではなく,合成数となります.

2^(2^5)(+1=4294967297=641×6700417  

現在,m=0,1,2,3,4の5個以外にフェルマー素数はみつかっていません.6番目のフェルマー素数の探索がコンピュータを使ってなされていますが,はたして本当に存在するのでしょうか.

正n角形の作図において,nは異なるフェルマー素数か2のベキ乗との積

  n=2^kΠFm

でなければなりません.したがって,

[1]n=2,3,4,5,6,8,10,12,15,16,17,20,24,30 → 作図可能

[2]n=7,9,11,13,14,18,19,21,22,23,25 → 作図不可能

となって,正50角形は作図することはできませんが,正51角形は作図できるのです.幾何学的に解ける正奇数角形は,2^5−1=31通り,最小3角形から,最大

  3・5・17・257・65537=4294967295

角形まであります.

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