■マンデルブロー集合・ジュリア集合

【1】ニュートン法

非線形方程式f(x)=0の解の近似値をもとめるニュートンの方法:xn+1 =xn −f(xn )/f’(xn )では,初期値x0 によって,収束,振動,発散します。

f(x)=x^2-1の場合、

f'(x)=2x

xn+1 =xn −f(xn )/f’(xn )=xn −(xn^2-1))/2xn=(xn^2+1)/2xn

=1/2{xn+1/xn}

正の実部をもつx0から出発すると、x=1

負の実部をもつx0から出発すると、x=-1に収束する。

純虚数x0から出発するとまったく、収束しないが、x0=(1+√2)iは0,1,∞に写像される。

すなわち、虚軸上の初期値に対して

[1]非周期的な2進有理数

[2]周期的な2進有理数

[3]無理数

の決定的な差になってしまうのである。

この手続きは関数xn+1 =xn −f(xn )/f’(xn )のジュリア集合を研究することと非常に似ています.

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f(x)=x^3-1の場合、

f'(x)=3x^2

xn+1 =xn −f(xn )/f’(xn )=xn −(xn^3-1))/3xn^2=(2xn^3+1)/3xn^2

臨界点がただ1つではなく2つになるため,はるかに複雑になる.

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【2】マンデルブロー集合とジュリア集合

 関数f(z)=z^2+kにおいて,zとkが複素数のとき,ロジスティックモデルと同様の問題はガウス平面上の複雑で美しい集合になります.

 z0 =0,zn+1 =zn +kで定義される数列が無限に発散しないような複素数kの集合がマンデルブロー集合と呼ばれ,美しいフラクタル図形を与えてくれます.

 マンデルブロー集合ではz0 を固定しkを変化させていますが,逆に,kを固定してz0 を変えたものがジュリア集合です.非線形方程式f(x)=0の解の近似値をもとめるニュートンの方法:xn+1 =xn −f(xn )/f’(xn )では,初期値x0 によって,収束,振動,発散しますが,この手続きは関数xn+1 =xn −f(xn )/f’(xn )のジュリア集合を研究することと非常に似ています.

 ジュリアは入力zとして複素数を使ったときに,発散しない条件のもとではこの反復関数が驚くべき結果を生むことに気づいた数学者の一人です.ジュリア集合の図の驚くべき美しさと複雑さは最近のコンピュータ・グラフィックスの進歩に伴って詳しくわかってきました.

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