■三角形の心(その62)
【2】ヘロンの公式
ヘロンの三角形では面積だけでなく、内接円・外接円・傍接円の半径がいずれも有理数になっている。
S=r(a+b+c)/2,2rS=a+b+c
4RS=abc
R:外接円の半径
r:内接円の半径
r1,r2,r3:傍接円の半径
S=rs=r1(s-a)=r2(s-b)=r3(s-c)
(s-a)/r=s/r1
(s-b)/r=s/r2
(s-c)/r=s/r3
ここで
(s-a)/r=s/r1
(s-b)/r=s/r2=r1/(s-c)より
(s-a)(s-b)(s-c)=r^2s
s(s-a)(s-b)(s-c)=r^2s^2=S^2
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これは内心と傍心が密接な関係をもっていることを利用した証明で、
三角形の相似関係から、(s-b)/r=s/r2=r1/(s-c)が成り立つことから、
(s-a)(s-b)(s-c)=r^2s
s(s-a)(s-b)(s-c)=r^2s^2=S^2
が導かれる。
とくに、名古屋三角形の内心・傍心および各切片は簡単な整数で表される。
a=8,b=5,c=7
s=10,r=2
s-a=2,s-b=5s-c=3
r1=8,切片は3,5
r2=7,切片は2,5
r3=5,切片は2,3
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