■三角形の心(その50)
【1】三角形の面積を7等分するラウスの定理
[Q]与えられた三角形の各辺を2:1に内分する点をとって対頂点と結んで作った三角形の面積は,もとの三角形の面積の1/7であることを示せ.
[A]3×3の格子を考える.もとの三角形の頂点を(1,0),(3,1),(0,3)に移す線形変換をφとする.線形変換で面積は変化するが面積比は変わらない.このとき,中の三角形は(1,1),(2,1),(1,2)に移される.ピックの公式により面積はそれぞれ7/2,1/2,従って面積比は7:1である.
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[Q]各頂点からその対辺の3等分点を全部、合計6本の線で結ぶ。元の三角形は小三角形、小四角形、小五角形、小六角形に分割される。中央にある小六角形の面積は,もとの三角形の面積の何分の1だろうか?
この問題ではピックの公式は使えそうにない。
そこで、細矢治夫先生の計算を参考にして、わかっている点を中線上に配置する。二等辺三角形を仮定しても面積比は変わらない.
[1/3,3/5,2/3,3/4,1]
細矢治夫先生の計算では、3辺をそれぞれ、2:a:2に分割すると
x=a/(a+6),y=a/2(a+3)
3等分(a=2)では、x=1/4,y=1/5
5等分(a=6)では、x=1/2,y=1/3
したがって、3辺をそれぞれ1:3:1に分割すると
[1/5,5/9,4/5,5/6,1]、
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中線上で交差する交点を求めると、
(x-1/5):1/3=(5/9-x):5/9
5x/9-1/9=5/27-x/3
8x/9=8/27
x=1/3
(x-5/6):5/6=(1-x):5/3
5x/3-25/18=5/6-5x/6
15x/6=40/18
x=8/9
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さらに続けると
(1/3-x):x=(5/9-1/3):9/5
3/5-9x/5=2x/9
3/5=91x/45
x=27/91
(8/9-5/6):5/6=(x-8/9):x
5x/6-40/54=3x/54
42x/54=40/54
x=40/42=20/21
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[1/5,27/91,1/3,5/9,4/5,5/6,8/9,20/21,1]
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小四角形
1/3・27/91=9/91
小三角形
(27/91+5/9)・(5/9-27/91)=25/81-729/8281
-(1/3-27/91)・27/91=-9/91+729/8281
-(5/9-1/3)・5/9=-25/81+5/27
=5/27-9/91
小六角形
(5/9-1/3)・5/9=25/91-5/27
(5/9+5/6)・(5/6-5/9)=25/36-25/81
(8/9-5/6)・5/6=40/54-25/36
=20/27-5/27=15/27
小三角形
(5/6+20/21)・(20/21-5/6)=400/441-25/36
-(8/9-5/6)・5/6=-40/54+25/36
-(20/21-8/9)・20/21=-400/441+160/189
=160/189-40/54
小五角形
(20/21-8/9)・20/21=400/441-160/189
(20/21+1)・(1-20/21)=1-400/441
=1-160/189
合計20/27+1-20/27=1
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したがって、小六角形は全体の15/27・3/5=1/7
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三角形ABCの各辺を1:λの比に順次内分した点P,Q,Rとし,AP,BQ,CRの2本ずつの交点が作る三角形LMNを仮に「縮小三角形」と呼ぶことにする.正三角形の縮小三角形は正三角形である.
λ=CP/PB=AQ/QC=BR/RA
[Q1]縮小三角形がもとの三角形と相似になることがあるか? あるとすればどのような場合か?
[ヒント]与えられた三角形の各辺をλ:1,μ:1,ν:1に分ける位置に点をとって対頂点と結んで作った三角形の面積は,もとの三角形の面積の
M=(λμν−1)^2/(λμ+λ+1)(μν+μ+1)(νλ+ν+1)
倍に等しくなる.
λ=4、μ=4,ν=4、M=3/7
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