■三角形の心(その35)
【2】ピックの公式
ミンコフスキーの格子点定理を用いて,ピックは彼の興味深い定理を証明しました.ピックの公式(1899年)とは,任意の格子多角形の面積が以下の式で表されるというものです.
A=I+B/2−1
A:格子多角形の面積
I:内部の点の個数
B:境界線上の点の個数
すなわち,格子点平面の折れ線で囲まれた面積は(凸であれ凹であれ)格子点の数で表せるという「格子の幾何学」の美しい公式です.
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[Q]各辺の長さが√5、√5、√2の二等辺三角形の面積を求めよ。
[A]ヘロンの公式を用いるとs=√5+1/√2,S=3/2
[A]2×2の格子を考える.三角形の頂点を(0,1),(1,2),(2,0)にとることができる。
I=1,B=3→S=3/2
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[Q]各辺の長さが√10、√8、√2の三角形の面積を求めよ。
[A]3×2の格子を考える.三角形の頂点を(0,2),(2,0),(3,1)にとることができる。
I=1,B=4→S=2
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[Q]各辺の長さが√13、√10、√5の二等辺三角形の面積を求めよ。
[A]3×3の格子を考える.三角形の頂点を(0,0),(2,3),(3,1)にとることができる。
I=3,B=3→S=7/2
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