■三角形の心(その23)
[3]チェバの定理とメネラウスの定理
2つの定理は一見似たような定理ですが,メネラウスの定理は「3点が1直線上にある」ことを,チェバの定理は「3直線が1点で交わる」ことを示しています.そして,・・・
『与えられた三角形の各辺をλ:1,μ:1,ν:1に分ける位置に点をとる場合,3直線が1点で交わるための必要十分条件はλμν=1(チェバの定理),3点が同一直線上にあるための必要十分条件はλμν=−1(メネラウスの定理)である.』
なお,メネラウス(ギリシャ、2000年前)とチェバ(イタリア、17-18世紀)の生存時期も1500年以上違い,その間何もなされませんでした.不思議さを感じてしまいます.
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3辺の長さが7,5,8の三角形は一つの角が60°となっているが(名古屋三角形)、整数比
AZ・BX・CY=AY・BZ・CX
2・5・3=2・5・3
5・3・2=3・2・5
3・2・4=1・4・6
4・6・1=4・3・2
3・4・2=4・3・2
2・4・5=2・4・5
を確かめることができる
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[2]与えられた三角形の各辺をλ:1,μ:1,ν:1に分ける位置に点をとって点同士を結んで作った三角形の面積は,もとの三角形の面積の
M=(λμν+1)/(λ+1)(μ+1)(ν+1)
倍に等しくなる.
(証)1/(λ+1)・μ/(μ+1)+1/(μ+1)・ν/(ν+1)+1/(ν+1)・λ/(λ+1)=1−(λμν+1)/(λ+1)(μ+1)(ν+1)
λ=μ=νの場合,
M=(λ^3+1)/(λ+1)^3
倍に等しくなる.λ=μ=ν=2(k=1/3)のとき1/3.
λ=μ=ν=1の場合,M=1/4.
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