■ファレイ分数(その14)
【2】オイラー関数φ(n)の漸近挙動
オイラー関数φ(n)(nより小さくnの互いに素な正整数の個数関数)は多くの興味深い性質をもっています.
σ(n)+φ(n)=nd(n)
はnが素数であるための必要十分条件です.その上界・下界は
n^(1/2)/n<φ(n)≦n-1
で与えられますが,1857年,リュービルは
ζ(s-1)/ζ(s)=Σφ(n)/n^s
を示しました.
また,オイラー関数φ(n)の平均値については
1/nΣφ(k)/k(φ(n)の平均/n)〜{Σ1/n^2}^(-1)=6/π^2
1/n^2Σφ(k)〜3/π^2
のようになります.すなわち,大きいnの値に対して,オイラー関数φ(n)の平均値は
1/nΣφ(k)〜3n/π^2
で近似されます.
位数nのファレイ分数の個数は
1+Σφ(k)
ですが,大きいnに対して,この和は3(n/π)^2で近似されることになります.また,1883年,シルベスターは位数nのファレイ分数の和が
(1+Σφ(k))/2
であることを示しました.
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Φ(n)=Σφ(k)と書くことにすると
Φ(n)/n^2〜3/π^2
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