■ファレイ分数(その4)
【2】ファレイ数列とディオファントス近似
任意の実数αは
α=P/Q+θ/Qn
0≦Q<n,(P,Q)=1,|θ|=1
の形に表される.
(証)ファレイ数列の中から相隣る2項a/b,c/dをとって,
a/b≦α<c/d
となったとする.2つの場合,
a/b≦α<(a+c)/(b+d)
(a+c)/(b+d)≦α<c/d
に分かれるから,以下の2つの不等式のいずれか一方が成り立つ.
|α−a/b|<1/b(b+d)
|α−c/d|≦1/d(b+d)
b+d>nであることを考えればQED.
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分母が高々dの有理数からなる位数dのファレイ数列の各項は1/d^2≦y<1/(d+1)^2の任意の水平線と交わるフォードの円と対応することにより,いくつかのディオファントス近似に関する定理は,(双曲)幾何学的に自明なものとなる.
たとえば,任意の無理数αに対して
|α−p/q|<1/2q^2
を満たすものが無数に存在するという定理がそうである.直線x=αが連接する2つのフォードの円p/q,r/sのどちらか一方に交わる.それがp/qであるとすると|α−p/q|<1/2q^2が成り立たなければならないからである.
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