■ルジンの問題と電気回路(その4)
ルジンの問題とは、ひとつの正方形を、整数の辺をもつ、等しくない正方形に分割するでる。ルジン自身もこの問題は簡単に解けないと思っていたようである。
実際に多くの人が挑戦を始めたが、長方形の正方形分割のようなニアミス解しか得られなかった(例えば、32x33の長方形を9個の大きさの異なる正方形に分割する)。
この問題は多くのアタックによく耐えたので、解答することが不可能と広く信じられていた。だから、回路理論に基づいた最初の解答が現れた時には大変な騒ぎとなった。
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【2】電気回路に対する連分数理論
たとえば,抵抗Rkが直列,抵抗Gkが並列に入ったはしご型回路の全抵抗は,連分数
z=[R0:G1,R1,G2,R2,・・・]
で与えられる.すべてのRk=1,Gk=1であれば,
zn=1+1/(1/1+1/zn-1)=1+zn-1/(1+zn-1)
(zn−1)(zn-1+1)=zn-1
において,n→∞のとき,zn-1→x,zn→xとすれば,
x^2−1=x,x^2=x+1
より
z=(1+√5)/2
に等しくなる.
電気回路に対する連分数理論は,ユークリッドの互除法に基づくアルゴリズムであって,縦がa,横がbの長方形の分割では左から正方形を最大個数詰め,次に残りの長方形において下から正方形を最大個数詰め,・・・,最後の残った長方形において左から正方形を最大個数詰めると,正方形分割が得られることを示しています.
たとえば,縦が5横が7の長方形において,左から1辺の長さが5の正方形を1つ詰め,下から1辺の長さ2の正方形を2つ詰め,最後に残った長方形において左から対して1辺の長さ2の正方形を2つ詰めると,正方形分割が得られます.これを連分数表示すると
7/5=[1:2,2]→正方形領域数5
同様に
11/7=[1:1,1,3]→正方形領域数6
これがひとつの正方形を整数の辺をもつ等しくない正方形に分割する問題の解答を導くのに応用されたのです.
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