■シューアの定理(その16)
【1】フェルマー予想の解決
x^2+y^2=z^2
に対して
x^3+y^3=z^3
x^4+y^4=z^4
には,等式を満たすような整数の組み合わせがないことをオイラーが証明.しかし,さすがのオイラーも5より大きいベキについては匙を投げた.
[1]x^5+y^5=z^5 (ディリクレ,1829年)
[2]x^7+y^7=z^7 (ラメ,1839年)
[3]x^n+y^n=z^n,n<100 (クンマー,1857年)
には,等式を満たすような整数の組み合わせがないことが証明される.
[4]1980年代に入って,フライが,最終予想を谷山・志村予想に帰着させる道を発見。
谷山・志村予想とは楕円曲線(たとえばy^^2=x^3-x)のゼータ関数
L(E,s)=Π1/(1-2a(p)/p^s+p/p^2s)
a(p)はy^^2=x^3-x (modp)の解の個数をnとすると、2a(p)=(p+19-n
はよい性質をもっていて、実数全体に解析接続され、関数等式をもつという予想で、
もし,a^n+b^n=c^nを満たす解があるとすると,得られる楕円曲線
y^2=x(x−a^n)(x+b^n)
は谷山・志村予想の反例になるはずであるというものである。
[5]しかし,これは極めて異様なことと考えられた.リベットはフライの状況証拠説を証明,すなわち,谷山・志村予想が正しければフェルマー予想も正しい.
[6]ワイルズが谷山・志村予想を証明,したがって,フェルマー予想も正しい.
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