■MOLS(その10)
MOLSとはたがいに直交するラテン方陣の略号である。オイラーは直交ラテン方陣(グレコ・ラテン方陣、オイラー方陣)の研究に着手した。
7x7の49士官問題は解くことができたが、6x6の36士官問題は不可能であると記したものの、証明できなかった。
そして、オイラーは(ここでやめておけばよかったのだが、一歩踏み出し)
予想「n=2(mod4)に対して、位数nの直交するラテン方陣の対は存在しない」
を提示した。(オイラーの死の前年、1782年のことだった)。この予想は長い間解けないまま残っていた。
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1900年にタリーがn=6に対して予想が正しいことを示すまで1世紀以上かかった。
1960年、ボーズ・パーカー・シュリックハンデがそのほかのすべてのn=2(mod4)に対して、予想が間違いであることを証明するまでに2世紀を要した
彼らはたがいに直交するラテン方陣はが少なくとも2つは存在する、すなわち、実際に、オイラー方陣を作ったわけではなく、N(n)≧2を示したのである。
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なお、奇数次(2^m×奇数次)のオイラー方陣はいつでも存在します。
n=素数ベキのとき、互いに直交するn次ラテン方陣は(n-1)個存在する
オイラー方陣が作れないのはn=2,n=6だけである。
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